モンテッソーリの教育法を語るとき、「教具」なしでは語ることができないのではないでしょうか。モンテッソーリの教具はこの教育法にとってとても重要な役割を果たします。
モンテッソーリ教育は、子供が自ら発展・成長する力を信じてその手助けを大人がしてあげるべきだ、という教育法です。自立した人間を育てることを目的とし、そのために大人がその環境を整えることが必要だとされています。
そこで出てくるのが「教具」です。モンテッソーリは、感覚教育法を実施するにあたって教具が重要な役割を果たすとし、助手らと開発して「子供の家」に置きました。
暗記でなく経験に基づいて質量や数量の感覚を養うことと、同時に教具を通して感じ取れる形容詞などの言語教育を行うことができます。
教具は子供たちにとっては魅力的な遊具ですが、それを与えるにあたって大切なポイントがあることも心得ておいた方がいいです。
まず、知的好奇心をくすぐるものであること。そして、高さ・大きさ・重さ・長さなどを子供に合ったものにすること。シンプルな方が子供が集中できるため、要素をひとつに絞ること。
また慎重に扱う態度を養うことができ、美しさに惹かれて子供が手を出すように、色や形が美しく且つ清潔な状態の本物であることも重要です。
そして、子供の状態や季節に合わせて整理をし、多すぎないように配慮することも環境を整えることには大切なことです。このようにして子供は教具に興味を持ち成長すると、モンテッソーリは主張しました。
モンテッソーリ教育は現在でも人気があり、教具を販売している店もあります。それには様々な種類があり、目的によって使い分ける必要があります。
目的別に分けると、日常生活の練習のためのもの、感覚教育のためのもの、算数教育のためのもの、言語・文化教育のためのもの、知育のためのもの、英語・その他のためのものがあります。
例えば日常生活の練習のものとして、あけ移しセットというものが多数出ています。これはコップやお椀が用意されていて、箸やスプーンを使ってうまく移す能力を養います。
他には靴の紐通しというものもあり、木で出来た道具は靴の形をしています。これを使うことによって靴紐を結ぶ能力を養うのでしょう。
また算数教育の教具には、数量概念の基本練習をするものや十進法を学ぶもの、記憶を伴う加・減・乗・除を養うものなどがあります。
モンテッソーリ教育では教具により、それぞれの能力を子供の好奇心に応じて養うことができます。無理にさせるのではなく、子供が自主的にやろうとする気持ちを大事にしたこの教育は、現代に必要なもののような感じがしますね。